ゲノム配列が解読された後の研究段階はポストゲノムと呼ばれる。ここでは遺伝子を基本とする各種産物・現象(RNA、タンパク質、タンパク質間相互作用、代謝物等々)を網羅的に解析することが中心となり、これらはオーミクスと総称される。また現在、転写因子などに加えて、多種多様なncRNAも遺伝子発現に多大な影響を及ぼしていることが示され、注目を集めている。ヒトゲノムは典型的な遺伝子の形をなしていない部分がほとんどで、「ジャンクDNA」と呼ばれていたが、この部分からもRNAが転写されることが明らかになってきた。「ジャンクDNA」はいまや疑問符つきとなり、代わりに「RNA新大陸」なるキャッチフレーズが使われている。現在の分子遺伝学で最も注目されるテーマはエピジェネティクス(セントラルドグマに従わない遺伝的現象)で、これにもRNAの関与が示唆されている。
医学では個人に応じた医療(オーダーメイド医療)の開発が希望され、個人差に注目したゲノム・ポストゲノム研究がこれに役立つと期待されている。
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DNAの塩基配列データがゲノムプロジェクトの進展に伴い爆発的に増えたため、情報学的な手法を用いて生命現象の仕組みを理解しようとするバイオインフォマティクス研究が進展している。他方、ペプチド断片のアミノ酸配列解析技術も進歩し、これにゲノム解析の成果を組み合わせて関連遺伝子を検索するプロテオーム解析も可能となった。1990年代にはタンパク質のアミノ酸配列は精製して解析するより遺伝子の塩基配列から推定する方が早いという認識があったが、一概にそのようには言えなくなっている。